エギ王シリーズには 「K」「LIVE」「TR」「Search」 など複数のモデルが展開されており、それぞれの 得意分野が大きく異なります。また、号数についても 2.0号から4.0号 までモデルによって展開サイズが異なっており、選び方に迷いやすい のが現実です。
本記事では、2025年4月時点で販売されている現行モデルのみを対象とし、廃盤モデルは除外しています。
「どのエギ王を選ぶべきか分からない」「釣り場や状況に合ったモデルを知りたい」という方のために、判断のヒントとなる情報 を一覧形式でまとめました。
まずは、現行ラインナップに含まれる各モデルの基本的な特徴からご紹介します。
ヤマシタ「エギ王」シリーズの現行ラインナップ一覧

エギ王シリーズは、イカの活性や水深、潮流の強さといったフィールド状況に応じて使い分けができるように設計されています。
エギ王K(ケー)
ステイ姿勢を重視した安定感のあるベーシックモデル。
プレッシャーの高い場面や澄み潮など、慎重にアプローチしたい状況で強みを発揮します。
号数は2.5号〜4.0号で展開されており、大型の4.0号が選べる点も特徴の一つです。
また、Kシリーズにはシャロー/スーパーシャロータイプも用意されており、水深や潮の速さに合わせた選択が可能です。
エギ王LIVE(ライブ)
ドリフトアクションに特化したモデルで、流れを活かした自然な誘いが得意。
潮流のあるポイントや広範囲を探りたいときに向いています。
号数は2.0号〜3.5号まであり、シリーズ中で唯一2.0号を展開している点も大きな特長です。
LIVEにもシャロー/スーパーシャロータイプがラインナップされており、ポイントや釣り方に応じて柔軟に対応できます。
エギ王Search(サーチ)
高活性なイカに対して効果的な探索型モデル。
やる気のある個体に強くアピールする仕様となっており、朝夕の時合いや潮通しの良いポイントでのテンポの良い展開に適しています。
動きに対して反応が良い個体を効率よく見つけたい場面におすすめです。
エギ王TR(ティーアール)
ティップラン釣法専用に設計されたモデル。
ボートからのエギングに最適で、高比重・高速沈下タイプとなっています。
号数は3.0号と3.5号の2サイズで、ショア(陸)からの使用は非推奨とされているものの、非常に流れが強い場所では限定的に使用される例もあります。
号数・モデル別|沈下スピード早見表

エギ王シリーズを選ぶうえで重要な要素の一つが「沈下スピード」です。
水深や潮の速さによって、沈下が速すぎても遅すぎても釣果に影響が出るため、状況に合わせたモデル選びが必要になります。
以下の表では、各号数ごとにどのモデルが展開されていて、それぞれどの程度の沈下スピードかを一覧で比較できるよう整理しています。
本データはヤマシタ公式サイト(2025年4月時点)をもとに作成しています。
「―」はそのモデルに該当号数が存在しないことを示しています。
号数 × モデル別 沈下スピード比較表
号数 | エギ王K | エギ王LIVE | エギ王Search | エギ王TR |
---|---|---|---|---|
2.0号 | ― | 約5.5秒/m | ― | ― |
2.5号 | 約5.0秒/m | 約5.5秒/m | 約3.6秒/m | ― |
3.0号 | 約3.0秒/m | 約3.5秒/m | 約3.2秒/m | 約1.5秒/m |
3.5号 | 約3.0秒/m | 約3.0秒/m | 約2.8秒/m | 約1.2秒/m |
4.0号 | 約3.0秒/m | ― | ― | ― |
この表を見ることで、「使いたい号数で最も沈下が速いモデルは?」「ゆっくり落としたい場合は?」といった疑問に対して、視覚的に比較できるようになっています。
釣り場の水深や潮流の強さに応じて、最適なモデルを選んでみてください。
モデル別の使い分け|こんな時はこのエギ王!

エギ王シリーズはモデルごとに特徴が明確に異なるため、状況に応じた“使い分け”が釣果アップに直結します。
ここでは、「潮の速さ」「イカの活性」「狙いたい層」などの観点から、各モデルの適した使いどころを整理しました。
エギ王K|スレイカ対策や澄み潮に強い“万能モデル”
- 沈下スピード:標準(約3.0〜3.5秒/m)
- 適した場面:潮が緩い日/警戒心の強いイカ/澄み潮
- こんなときに有効:
- プレッシャーが高い釣り場で自然に見せたい
- ナイトゲームや日中でも潮が止まり気味なとき
- 初心者が迷ったらまず選びたい“標準的な一本”
ステイ姿勢が安定しているため、見せて抱かせる展開に強いのが最大の魅力です。
エギ王LIVE|流れに乗せる“ドリフト攻略モデル”
- 沈下スピード:標準〜やや遅め(約3.0〜5.5秒/m)
- 適した場面:潮流がある場所/広範囲を探りたいとき
- こんなときに有効:
- 潮に乗せて自然に誘いたい
- 急深サーフや外洋向き堤防などで横の動きを重視したい
- 表層〜中層を漂わせる“浮かせ釣り”にも対応
自然な水平フォールが得意なLIVEは、流しながら誘う“攻めの展開”に向いています。
エギ王Search|手返しとアピール重視の“高活性対応型”
- 沈下スピード:やや速め(約2.8〜3.6秒/m)
- 適した場面:朝マヅメ/イカの活性が高いタイミング
- こんなときに有効:
- 活性が高くテンポよく拾っていきたい状況
- 同じポイントで複数回ヒットが狙えるとき
- 探りを早くしたい朝イチのサーチパターン
動きの強いエギが効く状況では、Searchで広範囲を効率よく探る戦略が有効です。
エギ王TR|ボート・深場狙い専用の“ティップラン特化型”
- 沈下スピード:非常に速い(約1.2〜1.5秒/m)
- 適した場面:中〜深場/船からのティップラン釣法
- こんなときに有効:
- ボートでのイカメタルや中層狙い
- 水深20m以上で潮の流れが早い場所
- 軽いシャクリや“止め”に反応がある状況
高比重で素早く沈む設計により、一定層を正確に攻めたいときに欠かせないモデルです。
よくある疑問Q&A|モデルの違いと注意点

Q1. エギ王KとLIVEは何が違うの?
A. 沈下姿勢とアクションの性質が異なります。
- Kはステイ姿勢重視で、止めて見せる展開に強く、澄み潮や低活性時に効果を発揮します。
- LIVEはドリフト性が高く、潮に乗せた自然な誘いが可能です。
Q2. エギ王TRはショア(陸)からでも使える?
A. 基本はティップラン専用で、ボート使用が前提です。
TRモデルはボートからのティップラン用に設計された高比重・速沈下エギです。
ショアで使うと着底が早すぎたりアクションが不自然になる可能性があります。
Q3. Searchはどんな時に使えばいい?普通のエギと何が違うの?
A. 高活性なイカへの“アピール型”モデルです。
Searchは強めの波動と広範囲に探る設計が特徴で、朝マヅメなど活性が高い場面で強みを発揮します。
また、沈下スピードもやや速く、テンポよくポイントを切り替えたいときに有効です。
Q4. KやLIVEにある「シャロー・スーパーシャロー」って何?
A. 通常より沈下が遅く、浅場や澄み潮時に有効な派生モデルです。
- シャロー(S): 通常モデルより約3秒遅く沈下します。(約6.0秒/m)
- スーパーシャロー(SS): 超スローで通常モデルよりも約5秒遅く沈下します。(約8.0秒/m)
磯際・藻場・ゴロタ浜などで根掛かりリスクを減らしたいときや、イカにじっくり見せたい時などに有効です。
まずは“この3本”から始めよう!
エギングは、潮の動き・水深・イカの活性などによって、「釣れるエギ」が大きく変わる釣りです。
でも、最初から全種類を揃える必要はありません。
今回ご紹介した3本は、それぞれに明確な役割があります。
② エギ王LIVE(例:オラオラマンゴー)
→ 潮流がある場所で活躍!自然な誘いのエース
- 特徴:ドリフトに強く、流れを使った攻めの釣りに最適
- 向いている人:外洋堤防/潮通しの良いサーフ
- サイズ選びの目安:3.0号がオールラウンド、浅場なら2.5号も可
③ エギ王Search(例:ハロハロアイシー)
→ 活性が高い状況で手返し重視!朝夕のサーチに最適
- 特徴:高活性のイカを効率よく拾える“探索特化型”
- 向いている人:朝マヅメ狙い/回遊待ち/テンポよく探したい人
- サイズ選びの目安:3.0号 or 3.5号(遠投や飛距離も◎)
3本それぞれの特徴が被らないため、状況に応じた最適なエギ選びが可能になります。
まずは「1モデルにつき1本」持つことから始めてみてください。
この3本で、エギングの基本パターンはすべてカバーできます。
まとめ:釣果と上達の両方を支える「モデルの使い分け」

エギ王シリーズの最大の魅力は、モデルごとの性能が明確で、状況に応じた“最適な選択”ができることです。
これは単に釣果の差を生むだけでなく、釣りの組み立て方そのものを学ぶきっかけにもなります。
特に初心者にとっては、以下のような成長サイクルが自然と身につきます。
- 「今日はKが効いた」→ フォール姿勢が安定しているKは、潮が効いている状況でも操作しやすい。
- 「LIVEに変えたら反応した」→ 流れの中で自然にドリフトさせるのがカギ?
- 「Searchは朝マヅメで圧倒的だった」→ 高活性の群れにはテンポよく探るアプローチが有効!
1本ずつ揃えることで経験値が蓄積され、やがて自分自身で「今日はこの状況だからこのエギ」と戦略的な選択ができるようになります。
“釣れるエギ”を知ることは、“釣りを読める人”になる第一歩です。
これから始める方も、モデル選びに迷っていた方も、ぜひ本記事を参考に最初の1本、そして2本目・3本目を選んでみてください。
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