エギ王Kの中でも、派手さを抑えたリアル系ナチュラルカラーとして絶妙な存在感を放つのがケイムライワシです。
イワシ柄×透けるケイムラボディという独自構成は、澄み潮・日中・スレ場などで他のエギには真似できない釣れ方を実現しています。
しかも今では3.5号のみが流通し、このまま廃盤になることは間違い無いです。
本記事では、その特性・強み・他カラーとの違いを徹底解説し、なぜ今こそ手にすべき1本なのか?を解説していきます。
ケイムライワシとは?釣れる?

ケイムライワシは一見すると派手さがなく、ケイムラボディとイワシカラーの布組合せで、地味で印象に残りにくいカラーですが、実はスレた状況・澄み潮・ベイト接岸といった条件で絶大な効果を発揮する1本になっています。
イワシカラーを含むナチュラル系カラーは、一定の人気があり、エギンガーの中でもナチュラル系しか使わない方もいます。
古来より非常に釣果実績が高いカラーになっています。
ベイトフィッシュの代表格であるイワシを模したカラー。イワシの艶めかしさとケイムラボディの透け感がイカを狂わす。
引用:YAMASHITA
イワシ柄のリアルペイント

ケイムライワシの背面には、実在するイワシの模様に極めて近いリアルグラデーションのドット模様が施されています。
この模様は、
- 本物のイワシが見せる背中の光沢
- 群れで泳ぐときのフラッシング効果
を意識して設計されたもの。水中での自然な見え方を重視しており、他のカラーにはない「実在感」があるのが最大の特長です。
イカはシルエットで獲物を識別する生き物ですが、「餌っぽくないもの=違和感がある」と判断すると抱いてきません。ケイムライワシはその点、“本物に近い”ことで警戒心を抑えるアプローチができる数少ないカラーです。
ケイムラボディによる発光

出典:YAMASHITA
ボディには紫外線に反応して青白く発光するケイムラ素材が採用されています。これはいわゆる夜光(グロー)とは異なり、光を“蓄える”のではなく、常に外部からの紫外線を受けて発光するタイプです。
この特性により、
- 晴天に加え、曇天や朝マヅメでも発光
- 光源がなければ発光せず、夜間は控えめ
という“自動調光的な発光スタイル”になります。
つまり、イカにだけ「ほどよく見える」絶妙な存在感を維持できるのが、ケイムライワシのケイムラ構造なのです。
地味だけど、実は「イカにだけ見える」

一見するとこのカラー、他の人気カラー(ムラムラチェリーやオラオラマンゴーなど)と比べて地味に見えるかもしれません。しかしこれは“人間の目にそう見えるだけ”。
実際には、
- 紫外線下ではほんのり青白く発光
- 背中の模様が獲物らしい揺らぎを演出
- 透過性のあるボディが背景と馴染む
この三拍子により、イカにとっては明らかに“見えるし、気になる”存在になっています。
その結果、「他のエギは見切られるけど、これだけは抱いてくる」という場面がしばしば起こるのです。
控えめな布地の発色も“気づかれない武器”

加えて、ケイムライワシに使われている布地はいわゆる“ナチュラル布”で、過度なラメやホログラムは施されていません。水中でギラつかず、あくまで自然な発光に留まる仕上がりです。
これが、以下のような環境に非常にフィットします。
つまり、「気づかれすぎない」というのが逆に武器となり、“空気のように馴染む”ナチュラルエギとしてのポテンシャルを引き出しています。
効果的なシチュエーション
ケイムライワシは、どんな状況でも万能に使えるというよりも、「特定の条件で突出して強い」タイプのカラーです。
実釣例やフィールド特性を踏まえながら、どんな状況でケイムライワシが“刺さる”のかを詳しく解説します。
①澄み潮 × 晴天 × 日中

ケイムライワシの最大の強みは、強い太陽光の下でも「自然に見える」ことです。
晴天+澄み潮という条件は、一見すると釣り日和に思えますが、イカの警戒心が最も高まる時間帯でもあります。そんな中で、以下のような派手カラーは逆効果になることもあります。
一方、ケイムライワシは
という構造により、あくまで自然に、でもしっかりと存在をアピールできるため、日中の澄潮攻略においては抜群の適性を持ちます。
②プレッシャーの高いスレ場

週末や連休、人気ポイントではイカがエギの色を見飽きている状態になっていることがよくあります。
こうした状況では、視認性の高いカラーや高アピールの布地を持つエギはむしろ逆効果になりやすく、見切られてしまうケースも多いです。
ケイムライワシは、そんな場面で最後の切り札になることがあります。
これらの要素が揃うことで、「他のエギには反応しなかったイカが抱いてきた」という再現性のある逆転劇が実現できるのです。
③ベイトが確認できる

イカは基本的に、目の前に「今まさに狙っていたベイト(小魚)」が来たら、条件反射的に抱いてきます。
つまり、リアルな小魚に見えるかどうか=釣果に直結するということ。
ケイムライワシの最大の強みは、まさにこの「ベイトフィッシュとしての完成度の高さ」です。
これにより、朝マヅメや夕マヅメにアジやイワシが岸近くに寄ったタイミングで投げると擬似餌として機能します。
ケイムライワシの適性まとめ

ケイムライワシは、あらゆる場面で使える万能型というよりも、条件がハマったときに最大限の効果を発揮する特化型カラーです。
特に澄潮やスレ場といった「釣れにくい状況」において、他のカラーにはない安定感を見せるのが大きな魅力です。
条件 | おすすめ |
---|---|
澄み潮 × 晴天 × 日中 | ◎ 非常におすすめ |
スレた釣り場 | ○ おすすめ |
ベイト接岸時 | ○ おすすめ |
曇天・濁り潮 | △ 発光量が控えめなため他カラー推奨 |
夜釣り(常夜灯なし) | × ケイムラ発光ができないため他カラー推奨 |
実釣例に見る対応力の広さ(X投稿引用含む)
Kの新色のケイムライワシがやってくれました。 pic.twitter.com/NYoHmB3unv
— きじはたこ (@hatako_kiji) February 15, 2020
イカ絶滅したかと思うような海だったけど気合いでつ抜け!
— こーま (@yuma_ms3) September 23, 2023
羽根修理したケイムライワシ君にだいしゅきホールドで景気付け🥹 pic.twitter.com/oACNc1DyT5
このように、X(旧Twitter)などでも、日中にケイムライワシを使っているケースが多くみられ、秋イカだけでなく春イカの釣果も高いことが見受けられます。
他のケイムラ系との違い
ケイムライワシはケイムラボディ×ナチュラル布という組み合わせのカラーです。同じケイムラ系でも、ムラムラチェリーやブルーポーションのように布や色の構成が異なることで、アピール力・見え方・向いているシチュエーションが大きく違ってきます。
代表的なケイムラ系2色との比較を通じて、「ケイムライワシの立ち位置はどこか?」を視覚的に整理していきます。
ムラムラチェリーとの比較

比較項目 | ケイムライワシ | ムラムラチェリー |
---|---|---|
ボディ | ケイムラ | ケイムラ |
布色 | ナチュラル | ピンク |
アピール力 | 控えめ | 強め |
視認性 | 低め(自然) | 高め(人にも見える) |
向いている場面 | 澄み潮・スレ場・ベイト接岸 | 曇天・夜間・濁り潮・ナイトエギング |
ムラムラチェリーは、ケイムラボディに加えてピンク布が特徴の「高視認性ケイムラカラー」です。ローライトや濁り潮といった状況でもしっかり目立つので、「どこにあるか目視しやすい」「広範囲にアピールしたい」という時に重宝されます。
一方、ケイムライワシはアピールしすぎず、むしろ「水に溶けるような存在」でアプローチします。これは、「見せて抱かせる」ではなく「気づかれずに馴染んで抱かせる」カラーだと言えます。
ブルーポーションとの比較

比較項目 | ケイムライワシ | ブルーポーション |
---|---|---|
ボディ | ケイムラ(透け) | ケイムラ(ラメ入り) |
布色 | ナチュラル | 青系+ラメ布 |
アピール力 | 弱め | 普通 |
向いている時間帯 | 晴天・日中 | 晴天・日中 |
使い分け | 澄潮・ベイト接岸時 | 澄潮・やや濁っている状況 |
ブルーポーションは青色布+ラメ布の組み合わせで、ケイムラの中でも「寒色系のアピールカラー」という立ち位置です。光を受けると青色のラメがしっかり目立つため、澄潮だけでなく、やや濁った海でも力を発揮します。「アピール気味に攻めたい時」に使うと良いです。
ケイムライワシとは真逆で、「ナチュラルに攻めたい時」に使うとちょうど良い中間的な存在です。
ケイムライワシは廃盤?

ここまでケイムライワシの特性や魅力について深掘りしてきましたが、現在の販売状況と今だからこそ手に入るという事実についてお知らせしておきます。
すでに2.5号・3.0号は廃盤

現時点(2025年6月)のケイムライワシの在庫状況は、現在以下の通りです。
サイズ | 状況 | 備考 |
---|---|---|
2.5号 | 廃盤済み | 入手困難(在庫および中古市場のみ) |
3.0号 | 廃盤済み | 同上 |
3.5号 | 市中に流通中 | 多くのショップで販売継続中 |
4.0号 | 廃盤済み | 入手困難(在庫および中古市場のみ) |
公式サイトでも、
※3.5号のみのサイズ展開としております。
と記載されており、2.5号および3.0号は廃盤であることがわかります。
■ 現在購入できるのは「在庫限り」のみ

2025年6月時点で、楽天・Amazon・一部の実店舗ではまだ3.5号の在庫が確認できます。ただし、
という傾向が見られ、「買おうと思って探したら、もうなかった」という事態が近づいているのは確かです。
廃盤カラーの価格推移は明確な傾向がある

過去にも、
こうしたカラーは、終売後に中古でしか買えないうえに価格が高騰という状態になることが多く、ケイムライワシも同じ道を辿る可能性は非常に高いです。
とりあえず1本持っておく」だけで安心感が違う

そう思う人にとって、今なら定価で、しかも新品で、試せる状況がまだあるというのは非常に貴重です。
まとめ
ケイムライワシは、エギ王Kシリーズの中でも派手さがなく、目立ちにくい存在かもしれません。
しかしその実力は、スレた釣り場や澄み潮、ベイト接岸といった特定の条件下で光り、“他のエギにはできない釣らせ方”ができる唯一のカラーです。